第3回会社精神について
“刺激こそ成長” ── この言葉は当社の会社精神です。スローガンではありません。故会長の人生経験から得た言葉であり、彼の人生そのものとも言えます。
「ピンチの後にチャンス有り」と言われますが、この言葉のように人や事業の成長は、困難や失敗を乗り越えていくプロセスの中に成長の種があり、種を実らせればチャンスになるのだと思います。
当社を取り巻く経営環境は、急速にかつ目まぐるしく変遷していますが、様々なニーズや課題を“刺激”にして、少しでも前に進めて行ければという思いで努力をしています。
具体的な取り組みの1つは、「如何に労働生産性を高め、成果に結びつけていくか」というテーマに対する努力です。
当社が考える労働生産性の概念は下記の通りです。
経営資源 (人,物,金,情報) の中で最重要資源は、言うまでもなく“人”です。当社の要素技術は溶接ですので、技能者の養成は不可欠です。
毎年開催される全国溶接技術競技会での入賞を目標に、熟練技能者が若手の社員に技術の伝承を行っています。定時間外に自主的に技術の習得の為にトレーニングを行っています。
昨年の大会でもお陰様で、CO2半自動溶接の部で、県大会で入社わずか9年目の若手社員が3年連続で優勝し、全国大会でも優良賞を戴きました。アーク溶接の部でも県大会で熟練社員が入賞を果たし、新旧の社員がそろって技を競い合う事は、非常に良い雰囲気が出来ていると感じています。
設備については、国が景気を喚起する為の補助金を活用し、積極的に投資をして参りました。最新の設備を導入して生産性や品質の向上に努めて行く事で、トータルコストの低減につながっていくと捉えています。
管理面では、今期からAMP会議という課長会議が開始されました。この会議は役員の発案で、それぞれの部署の課長が連動性を高め、シナジー効果を得て行く事を目的とした会議です。
AMP会議の意味するところは、
Administration(経営管理)&
Management(マネジメント)・
Project(プロジェクト)
です。
また、会社が成果を上げていく為には、顧客数の増加も同時に考えて行かなければなりません。 私が考える成長の定義は、既存のお取引き先との関係性を強化すると同時に、新しいお客様を増やしていく事です。
定量的な捉え方としては、既存顧客と新規顧客との取り引き額の総和が、現状より少なくなってしまっては、仮に新規顧客が増えても成長とはいえません。
しかしながら、昨今の経営環境は大変に厳しく、既存顧客を守るだけでも精一杯です。従って、既存顧客については取引量もさる事ながら、量的追求より、質を重視した関係性の強化を打ち出しています。自らが常に変化して、質の向上を計っていかなければ成長は出来ないと考えています。
最後に、これからの経営環境は益々不確実性が高くなって行きます。どこから “衝撃的な課題” が突発的に来るのか全く予想不能です。しかし、如何なる “衝撃” が来ても、 “衝撃” を “刺激” に変えて “成長に結びつけて行く” という会社精神の意味するところを肝に命じて、対応出来る能力を得られる様に努力して参りたいと考えています。