第11回先を見据えた経営
私が大学院生の頃、私の指導教授は「経営者にとって必要なことは多々あるが、一番大切なことは“先を見通す力”だ」と常に言っていました。
私はその言葉は仕事においていつも大切な言葉であると思いながら仕事をしています。
その為には、エコノミストやビジネスコンサルタントの講演やセミナーを通じて、日本を取り巻く経営環境を把握し、出来るだけ先を見通し、時々刻々と変わる状況に対して、我社に必要な手を早めに打つことが大切であると考えています。
米国の大統領であるトランプさんが就任した折、ある銀行の講演会で聴講した話を聞いて、
1.世界経済の日本への影響 2.日本経済の動向 をまとめてみました。
そのまとめを基に、我社の重点課題を浮き彫りにし、重点施策を作りました。
その資料は、毎年6月の全体朝礼で検証し、改訂しながら新たな方針を述べています。
以下の1.2は当時2017年に講演を聞き、予想したものです。
3.4はそれに基づき、当時まとめた課題、施策です。
この検証については機会があればこのコラムで取り上げようと思います。
講演会でのまとめ
1. 世界経済の日本への影響
※画像をスクロールしてご覧ください。
2. 日本経済の動向
※画像をスクロールしてご覧ください。
3. 企業の重点課題
1)人手不足の中で始まる労働改革への対応
- 〔対応策〕
- ❶ 少数精鋭化(社員教育の充実)
- ❷ 総務にて諸対応の開始
2)東京オリンピックまでに2021年以降の成長戦略を策定する。
当面3年間の施策は2021年以降企業が成長するために着実に実行し、地に足がついたものでなければならないと考えている。
この様に世界経済の日本への影響や日本経済の動向に基づいた講演をまとめてみましたが、一般的に企業の重点課題は上記の書いたようなことだと私は思います。
これら企業重点課題を受けてKEの重点施策を以下考えてみました。
4. KEの重点施策
1.営業強化(既存取引先の深堀りと新規開拓)
- 1)定期訪問の質と量の見直し
- 2)情報の発信(紹介、HPなどの充実)
2.不良の撲滅
- 1)品質管理の強化(原点は自主管理)
- 2)品質に対する意識の強化と実践
3.生産性の向上
- 労働生産性 を高める
- 1人当りの付加価値 を主要指標にする
4.人の育成
- 1)AMP(幹部教育)への活動支援
- 2)溶接技能向上の為の支援
5.安全衛生の意識向上
- 1)環境ISOを通じたPDCAの実践
- 2)5Sの見直し
6.2019年度新卒を見据えてのリクルート活動
7.障害者、女性、外国人の順次雇用の模索
(出来れば直近の3年間で一人ずつ採用を考えたい)
新型コロナの問題は想定外であり、先行き不透明さが増して来ています。実際に我社も徐々に影響が出ています。しかしながら、基本的には以前、講演会を聞いて策定した事業方針の方向性は、今日迄も基本的には間違っていないと思っています。今はまさに国家の諸施策が適切であるのかを問われていくと思いますが、我社は今迄の方針に沿って実行して来たことを今後も貫いて行こうと考えています。
ここで我社が今期、策定した基本的な方針を下記致します。
本年の重点課題
1.本業を強化する。
- ❶ 新規取引先の開拓
- ❷ 既存取引先の深耕開拓
- ❸ 幹部の教育
- ❹ 技術者の教育
- ❺ 5Sを通じての安全管理
- ❻ ISOの継続
- ❼ 機械化
- ❽ 働き方改革への対応
- ❾ BCPの策定
- ❿ 人財への先行投資
2.関連多角化の模索
- ❶ 高鮮度冷蔵システムFCRの開発
- ❷ 第二工場の模索
- ❸ 関連会社商品支援を通じて我社の売上に寄与
最後に、今迄書いて来たコラムが参考になるかどうか私にはわかりませんが、基本的には講演会で聞いた話通りに事が運んでいます。しかしながらコロナ問題で五輪需要が減少し、その結果、経済のピークアウトが一年早まりました。コロナ問題はワクチンの開発が出来ればやがて終息に向かうと思いますが、この様に想定外の事は突然発生するので、いずれにしても本業の強化、関連多角化をしつつ体力の強い会社にしていきたいと考えています。