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ケーイーコーポレーションを紹介するコラム

第10回我が社のBCPの取り組みについて

私が高校生の頃、東海大地震が大きく取り沙汰されました。それから数十年を経た現在、幸いにもまだ発生していません。

最近、国内で懸念されているのは、東京を中心とする直下型地震と東南海地震です。
我が社は静岡にありますので、東南海地震については非常に警戒しております。ニュースや地震を調査する研究機関によりますと、今後30年の間に70%の確率で地震が発生すると予想されています。

そこで、私自身が積極的にBCPについて学ぶ必要があると思い、まずはBCPの定義や策定計画の内容について調べてみました。BCPとは「Business Continuity Plan」(事業継続計画)です。要するに、事業をやめずに継続していく為の計画です。

今回は、地震や諸々の災害に対する我が社の対策と備えについてまとめてみました。

BCPについて

BCPというと地震に対する備えを連想しがちですが、BCPでいう主な災害リスクには下記の様なものがあります。

中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」より

この表を見ると、地震が最も事業への影響が大きい事を示しています。
しかし企業のBCP作成率はあまり高くなく、こと中小企業に関してはさらに低くなるようです。
ではなぜ低いのでしょうか。

ある大学教授のアンケート調査によりますと、約97%の中小企業がBCPの策定をしていないそうです。
複雑で取り組むハードルが高いことを一番にあげていますが、もし地震が発生し工場や事務所等が倒壊しても、「日本の経済人口減少に伴う市場の縮小」、「経済がダウントレンドやピークアウトになって来たために、会社を再建する見通しが立てられない事」、「事業継承する人がいない事」ということを理由にあげている企業もあるようです。

中小企業にとって見通しががたてられないものに人材、費用、時間を費やすことは負担が重いということもあるでしょう。

我が社も中小企業ではありますが、幸いにも後継者がおり、おかげさまで経営も順調であります。もちろん以前より、防災用品、非常食の備蓄に取り組み、年に一度防災訓練を行ってきましたが、東日本大震災、ここ最近の大型台風災害などを目の当たりにし、お客様や大切な社員、家族を守るため、ここはやはりBCPの重要性を痛感し、策定を進める事にいたしました。

わが社の昭和49年七夕豪雨の記録

企業には「社員の命を守る責任」「供給責任」「地域の共同体の一員としての責任」等があると思っています。そして、それらは平常時の経営改善にも繋がり、さらに危機対応力が高まれば最終的には長寿企業として事業を継続する事が出来ると考えます。

BCPを策定する為には、組織化し仕事の時間を割かなくてはなりませんが、我が社にはBCPだけの専門チームを編成する余裕はありません。そこで、ISOチームの中に盛り込むことにしました。

7月からいざ開始です。まず講師の方に依頼し、BCPについての勉強会を社内で開催し、なぜBCPの策定が必要なのかを理解し、意識を共有する事から始めました。

我が社のBCP

ここで我が社のBCPの基本方針と、実施体制及び内容について紹介いたします。

BCPの基本方針

  • ・社員の命、安全の確保を最優先事項として取り組みます
  • ・早期復旧ができる仕組み作りをすることで取引先の信頼を維持します
  • ・社是「愛」のもと、地域に寄り添い、共に復興に協力することを惜しみません

実施体制は、顧問・統括責任者・副責任者・BCP安全委員会・事業再開委員会・地域復興委員会で構成しており、責任者やメンバーを決めました。

内容ついては、

  • 重要業務の選定
  • 目標復旧時間・レベルの検討
  • 重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達の検討
  • 想定されるリスクの洗い出し
  • 被害予測に基づく財務のチェック
  • 重要業務の継続的戦略の策定
  • 部品・材料・サービス等の代替調達の検討
  • 情報・通信システムの代替案の作成
  • 緊急時の対応体制の構築
  • 緊急対応計画の手順書

などを作成中です。

繰り返しになりますが、チームで考えたBCPの基本方針の通り、

  • ・社員やその家族の命を大切にすること
  • ・出来るだけ早く復旧する為の仕組み作りをする事により、取引先から信頼を得ること
  • ・地域の復興を支援すること

これらが災害に強い企業作りに繫がると思っています。

以上、ご参考までに、今まで大手取引先や防災の専門家の方々からお話を伺い、私なりに考えたBCPの骨子をまとめてみました。

当社の考えるBCP(Business Continuity Plan)とは

事前検討及び対策
  • 耐震補強及び建替え
  • 工場の分散化
  • DRサイト(Disaster Recovery Site)
  • 情報のセキュリティー化
  • 防災BOXの設置(点呼に使用)
  • 発生時以降生活用物資の備蓄
  • 防災訓練
  • 発生時における一次集合場所と二次集合場所の設置と衆知
  • 緊急連絡網の整備(安否確認サイトの導入)
  • その他、会社にとって必要と思われる事項
    1. 顧客先と外注先及び購入先の情報名簿の整理
    2. 5Sを通じた安全の追求
    3. 災害(BCP)専門の保険加入
    4. BCP認定取得
    5. 安否確認システム
BCPの実行
  • 情報の収集(安否確認)
    1. 会社に在社している場合は、決められた集合場所に集合して点呼
    2. 会社に在社していない場合は安否確認
  • 被害の収集の確認
    1. 会社
    2. 従業員の住居
    3. 取引先(顧客,外注,購入先)
  • 復興計画
     経営者層
     ↓
     各部署へ指示 → 取引先
  • 取引先と復興計画についての相談及び打合せ
  • その他、会社にとって必要と思われる事項

これからも、我が社は事業を継続させていく為にBCPについてさらに深堀りし、より良いものなるよう取り組んで参ります。

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